2003年12月4日後楽園ホールでのエキストラレポ

ｒｅｐｏｒｔｅｒ：おやぶんさん

　朝9時，後楽園ホールの青いビル前で友人たちと待っていると，中からKaoruさんが出てこられました。｢お先に～。｣と言い残し，Kaoruさんは，水道橋駅のほうへ。（ひょっとして帰った？？？）と思いましたが，後で事情が分かりました。（ということは，萩野様，徹夜？）と思いつつ，スタッフの方に先導されて中へ。

　中では，観客が応援しているシーンを撮ってました。すぐに，萩野様を探すが見当たらず。でも後で分かりましたがほんとは，このときホールにいました。撮影している反対側の観客席で，ぐったり寝ている方が萩野様でした。すぐに分からないなんてファン失格か。私は，下っ端のボクサー役の方かと思ってました。
　
　少ししてスタッフから，その萩野様の寝ているあたりに行ってくださいと指示が出て，数十人移動するため，萩野様は付き添いの方に起こされ，場所を移動しました。で，ここまできても私はわからず。もうしばらくして，友人に聞いてやっと分かりました。ほんとにアホ。

　改めてじっくり見ると，ハイ，萩野様でした。上半身裸でボクサーパンツ，手にはグローブをはめたまま，ぐったり寝ていました。いきなり，な，生で寝顔？？？や，やばい(自分が)。でも寒そう。すごく疲れてそう。心配半分，崩壊半分といったところ。しばらくすると，スタッフが毛布？ガウン？と枕を持ってきて，かけてあげてました。そして時間がたつにつれ，足が横に出てきて，時々ヒクッとなったりしてました。

　このあたりでまたスタッフに指示され，私たちは反対側の後ろのほうの席へ。たぶん2時間ぐらい寝ていたと思います。ごそごそっと起き上がり，ガウンに袖を通そうとして，でも手にグローブをはめていたので，ガウンがズルッとずり落ちてしまい…。様子を見ていたファン（ほぼ）全員から、「あっ！！！」と驚きの声が。でもそのしぐさは，とーってもかわゆかったんです。（誰かかけてあげればいいのに）とおそらくほとんどのファンが思ってたんじゃないかな。

　エキストラのほうの仕事は，リングで戦っていないのに，大声で応援したり，声なしで振りだけとかやってました。そのうちに萩野様は奥へ引っ込んでしまい，ファンは密かにがっかりモード。（今日はこれでおしまい？もう出てこないのかな？）と不安を抱えつつ，スタッフの指示通りに動きます。

　またしばらくすると萩野様，お目々ぱっちりで元気にご登場。やったー！！！すごい筋肉で，オーラのせいかキラキラしてます。決して体にワセリン塗ってるからだけじゃないと思います。スタッフから
｢寝た？｣
と聞かれ，
「はい，少し寝かせてもらったので，大丈夫です。」
みたいなことを言ってました。リングで，ピョンピョンはねたり，わざとよろよろよろけたり。楽しそう。そしてボクサーパンツをもぞもぞ。
「収まりが悪い。」
と観客席に向かって言った後（そ，そんなこと言われても‥），メイクさん（女性）に助けを求めるような視線を。スタッフから
「そういう役はないから。」
と言われてたみたいです。

　で，ほんとに矢野修二がリングに上がると，エキストラの応援の歓声も自然と力が入ります。リングでのシーンは，左のパンチがこっちに入って，次にこういうふうに倒れて…，と念入りに打ち合わせしながら，リハーサルを重ねます。途中の合間でも，ピョンピョン飛び跳ねたり，爪先立ちで歩いたり。その落ち着きのなさは，イベントで垣間見るものとほぼ同じ。で子供のように遊んでいるかと思うと，相手のボクサーのところに行って気遣ったり。らしいですね。でも演技のほうはさすが，NGは出していませんでした。

　パンチを打たれて修二が倒れるシーンでは，エキストラがついついシーンと沈黙してしまうのですが，スタッフから「矢野修二を応援してるんだから，倒れたらキャーとか悲鳴を上げるか，『立って！』と応援するかしないと。」とダメ出し。（なるほど）と思いつつ，リハを繰り返します。萩野様は，カウント幾つ目までで立ち上がるか専門家に聞いて確認しながら動き，本番は，一発OK！

　お昼ごろから「誰々さん，全編終了でーす。」と声がかかり，撮影終了した役者さんから順次退場。萩野様のほかに知ってる俳優さんがいないなーと思っていると，「美木さん，全編終了です。」との声が聞こえ，ずっとサングラスをかけていた男性が立ち上がり，サングラスをはずしてスタッフに挨拶しました。そこで初めて美木良介さんだと分かり，今さら気づいてすこしがっかり。船木さんに気づいたのは，さらに後です…。

　その後，相手役の桜井裕美さんとリング越しに会話するシーンを撮りましたが，私の位置からは，カメラや照明などの機材で，ほとんど見えませんでした。萩野さんの低いお声だけが聞こえてました。

　あとはフードをかぶって登場するシーンなどは，スモークをたいて，『映画』って感じです。生でスモークを見たのは，初めて。登場するとき，観客が携帯で撮影していたほうがリアルのようで，誰と誰が携帯で撮影するかを監督が指名していきます。そしてこのシーンも無事OK。萩野様の撮影シーンがないときは，さすがにお疲れのようで，観客席で座った姿勢で寝ていたようです。フードをかぶったまま寝ていて，起きてそれを取ったときには，まるでプールから上がったときのように髪がぺったんこになっていて，一同びっくり。でもメイクさんの早業ですぐに元どおりのくるんくるんになりました。
　
　でも疲れていてもボクシングシーンになると，本格的。そして撮影の合間には船木さんにじゃれつき…。船木さん（レフリー役）に殴るような格好をして，船木さんから『アウト』のポーズされてました。
　
　ボクシングシーンを撮った後，相手役メインの撮影になり，萩野様はメイク。ここで「ヒーロー・ビジョン」に載っていた右目にパンチくらったお顔になるのですが，メイク時間は30－45分ぐらい？かなり長く時間かけてやってました。メイクが終わっても相手役の方の撮影はまだ終わらず，萩野様は奥に引っ込んでしまいました。（あ～）と思いつつ，指示されたとおり，応援シーンの撮影。
　
　しばらくしてトイレに行った帰り，外の廊下の遠くのほうで人だかりがあり，覗いてみると，ボクサー姿の萩野様がいるような…。近づいてみると，船木様との対談を撮影してました。近くで見ると，やはり強烈なキラキラオーラ。
萩野様（以下，萩）「これから月に 2 kg ずつ太って，来月，船木さんに会ったときには，こんな感じで（お相撲さんのようにおなかをバンとたたいて）。それもありかなと。」
船木様「ロバート・デ・ニーロみたいだな（苦笑）。」
それから…，
萩「（減量してるときに，）性欲がなくなった。」
と話してました。で，
萩「人間失格で，男失格。」
と言って笑ってました…。この対談の様子は，2003年12月24日のクリスマスディナーショーの中でVTRで流れましたが，さすがにこのシーンは，カットされてました。　

　エキストラは元の位置に戻り，萩野様のメイクも元に戻して，もう一度登場シーンの撮影。その後，またメイクを直して右目にパンチくらったお顔に。前回のメイクでは，30分以上かけてましたが，今度は時間がないため，「15分で直して。」と鶴見監督から指令が飛び，ハラハラしましたが，さすが短時間であざができました。12月4日は後楽園ホールは午後3時までの撮影だそうで，スタッフもエキストラも3時に終了するまで，休憩なしお昼なしでやってました。萩野様もおそらく食べてなかったと思います。萩野様の最後のシーンの撮影が終了したのは，午後2：20頃。「萩野さん，終了です。」のスタッフの声で，走ってご退場（あ～あ，でもお疲れ様でした。）その後，エキストラだけのシーンを撮って，午後3時過ぎに解散となりました。

　会場の入り口には，エキストラ用のお弁当が3種類，サンドイッチと炊き出しの？豚汁があり，友人たちとお弁当を持って外へ。会場の中で，食べる場所がなかったので，外へ出ました。寒空の下，食べていると，午後3：40頃，なんと萩野様が，事務所の方たちと一緒にそばを通りかかり…。超びっくりで，超ラッキー。でも緊張感抜けて，お弁当食べてるところを見られて恥ずかし…。萩野様は，胸元で小さく手を振ってくれました。かわゆい。そしてタクシーでお帰りになりました。このとき，（ゆっくり休んでくださいね）という気持ちで見送りましたが，後で「ヒーロービジョン」を読んで驚きました。あの後，長野に行かれたんですね。すごいハード・スケジュール！！！

　撮影のときの萩野様は，自分から監督の方に聞きに行ったり，NGを全然出さずビシッと決め，撮影の合間には俳優さんたちに気を使って声をかけたり。かと思うと，子供のように無邪気にじゃれついたり。お仕事の仕方も魅力的で，でもやっぱり不思議な方で，あったかい気持ちになり，（私も仕事がんばろう）と思わせられたエキストラ参加でした。